ノートパソコンのリチウム・イオン・バッテリー その後

ノートパソコンのリチウム・イオン・バッテリーの寿命は伸びるか?」というエントリーを書いてから、もう4年も経ってしまった。それで気になる結果だがupowerコマンドを使って確認した結果は以下の通り。

$ upower -i /org/freedesktop/UPower/devices/battery_BAT0
  native-path:          BAT0
  vendor:               LGC
  model:                5B10W139
  serial:               1999
  power supply:         yes
  updated:              2024年09月10日 12時30分49秒 (2 seconds ago)
  has history:          yes
  has statistics:       yes
  battery
    present:             yes
    rechargeable:        yes
    state:               pending-charge
    warning-level:       none
    energy:              42.41 Wh
    energy-empty:        0 Wh
    energy-full:         50.49 Wh
    energy-full-design:  50.5 Wh
    energy-rate:         0.251 W
    voltage:             12.444 V
    charge-cycles:       173
    percentage:          83%
    capacity:            99.9802%
    technology:          lithium-polymer
    icon-name:          'battery-full-charging-symbolic'

バッテリー劣化状態をみるのはcapacity値ということなのだが計測結果では99.9802%とあり、少なくともupowerの値を信じるならばバッテリーの劣化は計測誤差みたいなレベルで、実質的には劣化していないという結果となった。日頃使っていてバッテリーチャージ状態になるのは週に一度あるかないかぐらいで、1-2時間のミーティングで使っている範囲だとチャージするスレッシュホールドまで届かないのが現状である。約4年間使っていて現状の方式でなんら困ることはなかった。結論としては、うまくいっているようだ。

eneloop(ニッケル水素電池)でESP32-WROOM-32Eを動かす

eneloopを4本用意してXC9306使用同期整流昇降圧DC/DCコンバータ[1]を噛まして3.3VにしてESP32-WROOM-32E開発ボード[2]にツッコんでみた。電池の電圧を測りつつ、その値をWiFi経由で5秒に1回udpパケットとしてサーバーに送るプログラムを書いて、どれだけ時間的にもつのか試してみた。

分かったことは2つ

  • 48時間は持たないけど、36時間ぐらいなら持つ
  • eneloopの電池の持ち方の特性は説明通りだった

5秒に一度128バイト程度のデータを送り続けるわけで、それで40時間ぐらいは持っているので、悪くはないというか、データシート[3]から想定される値と大きく違いはなかった。

eneloop[4]も一定の期間安定していて、最後にストンと落ちるニッケル水素電池の特性をきちんと示していた[fig1]。

つけっぱなしでも一日ぐらいは余裕で持つというということがわかった。

[1] XC9306使用同期整流昇降圧DC/DCコンバータ
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g116055/

[2] ESP32-DevKitC-32E ESP32-WROOM-32E開発ボード 4MB
https://akizukidenshi.com/catalog/g/g115673/

[3] ESP32-WROOM-32E & ESP32-WROOM-32UE Datasheet
https://akizukidenshi.com/goodsaffix/esp32-wroom-32e_esp32-wroom-32ue_datasheet_en.pdf

[4] エネループ(ニッケル水素電池)
https://panasonic.jp/battery/products/charge/eneloop.html

電池4本の電力変化グラフ (Fig1)

VirtualBoxでホストOSのUSB SerialをゲストOSのSerialにパススルーする方法は超簡単

ESP32をちょっといじってみることにしたのだが、ESP32開発環境を現在使っているUbuntuの環境に干渉させたくないので、VirtualBox上でUbuntu 22.04 LTS を動かして、そこで開発することにした。心配だったのがホストOS側に見えているUSB SerialをゲストOS側にパススルーする方法だった。

少し不安だったのだが、調べたらホストOSでUSB Serial (/dev/ttyUSB0)をゲストOSのSerial (/dev/ttyS0)にパススルーする方法はとても簡単で拍子抜けした。

基本これだけ。

GNU/LinuxでUSB経由のデータ転送パフォーマンスを改善する方法

USB 3.0接続で外付けHDDを接続し利用していたが、大きいデータの読み書きをすると使用しているHDD機種の標準的な転送速度をかなり下回るパフォーマンスしか出ていなかった。これまで、そういうものかと納得していた。先日別件でUSB経由でのデータ転送のパフォーマンスをあげる方法をみつけた。次のようにやってみると、実際にUSB 3.0接続の外付けHDDのパフォーマンスが大きく改善された。

# echo 256 > /sys/module/usbcore/parameters/usbfs_memory_mb

usbfs_memory_mbはUSBバッファサイズをコントロールするパラメータである。LinuxのUSBバッファサイズは16MBと小さい。これを256MBにあげてみた。実験してみると、ほぼ外部HDDの読み書きの性能(USB 3.0の転送速度より小さい)の上限レベルに達していた。

同じようにUSB 3.0接続の外付けHDDが思ったよりも遅いと悩んでいる人がいたら試す価値はある。

参考リンク
Understanding USBFS on Linux
https://www.flir.jp/support-center/iis/machine-vision/application-note/understanding-usbfs-on-linux/