オレオレ電話局〜自分の電話局を持つのは男のロマン (1)
最近のVoIPといえば、PCではなく主戦場はスマートフォンで、しかも、SkypeだけなくLINE、comm、カカオトーク、Viberなど数々の通話アプリがあふれています。またWebやスマートフォンを縦断してサービスしているGoogle Talkもあります。Google Talkはメール、チャット、ドキュメント共有、連絡先、そしてビデオカンファレンスまで統合化していて、PCからでもスマートフォンからでも使えて、とても便利です。
とはいえ、そんなシステムは、ここで再度説明する必要もないくらいにプライバシーの問題の懸念などがあります。中身が完全にブラックボックスなので何をしているか、まったくわかりません。
あとGoogleなんかが典型的ですが、あまりにも何でもGoogleでGoogle依存症になっていて、もうGoogleがないと生きていけない、みたいな状況にならないかと色々と懸念を持っています。もちろん自分が、ですが。
自由で束縛されない透明性の高いソフトウェアを使うことで、解決できるのですが、クライアント側は色々と自由な代替品があっても、VoIP/SIPサーバはどうするのか、という部分が残ります。
そこでスズラボではサービス提供者・オレ、利用者・オレのオレオレ電話局を作ってみました。
Asterisk登場
Asteriskは2004年にver1.0が公開されたDigium社がIP-PBXのソフトウェアで、フリーソフトウェアのライセンスであるGNU General Public Licenseと商用のプロプライエタリなライセンスの2つを持っています。海外ではVoIPのIP-PBXと言えばAsteriskという名前が出てくるほどメジャーで、2006年のv1.4系ぐらいから日本でも有名になってきました。
Asteriskはこれまで使っていたPBXの置き換えとしてのIP-PBXとしてビジネスの現場でも多数導入されています。もちろんAsteriskは商用でも多数導入されています。例えばコンタクトセンター向けIPテレフォニーサーバーやソリューションを提供していたり、ひかり電話ビジネスタイプ専用IP-PBXなど、色々なビジネスが展開されています。
ブログなどを探してみると家庭で内線側でAsteriskを使い、Asteriskとルータにつないで外部にひかり電話経由で一般電話に接続できるような仕組みを作っている人もいます。
このようにAsteriskはポピュラーでかつ安定しているIP-PBXです。これまではIP内線電話のソリューションとして使われていましたが、これから先はBYOD(Bring Your Own Device)といった自分が普段使っているスマートフォンやiPadに代表されるタブレット機を電話端末に使うソリューションが増えるでしょう。
SIPクライアントに関しては、GNU/Linuxはいうに及ばずiPhone、Android双方に商用及び自由なソフトウェアSIPクライアントが複数あります。好みにあわせて選択することができます。Android 2.3以降はデフォルトではSIPの機能を搭載していますが、実際に販売されているスマートフォンでは使えるものと使えないものがあります。
筆者はちなみにGNU/Linux上ではLinphone、Androidではコンパクトなsipdroidを使っています。
SIPクライアント(自由なソフトウェア編)
* GNU/Linux上: Ekigaフォン、Linphoneなど
* iPhone: Linphoneなど
* Android: Linphone、sipdroid、CSipSimpleなど
お試しにはAndroidでは一番シンプルなsipdroidをお勧めします。LinphoneはデフォルトでGSMコーデックを使っていないので、オレオレ電話局の設定の場合、GSMコーデックにチェックを入れてください。
(つづく)