Google Chrome バージョン: 95.0.4638.54(Official Build) (64 ビット)にアップデートしたら、いくつかのWebサーバの参照ができなくなった。ブラウザーには次のようにエラーメッセージが現れる。
ERR_NAME_NOT_RESOLVED
Google Chrome以外のすべてのアプリケーションは正常にネットワークは動作しているので、システム的には問題がない。つまりGoogle Chromeだけ固有の問題である。そして ERR_NAME_NOT_RESOLVED は DNS 周りの問題である。
こっから先は、まったく手探り。システムのDNS周りも含め何やってもダメ。
そこでwiresharkを使いDNSのクエリをチェックしてみた。するとpublic.dns.iij.jpにリクエストを送りつけている。これはDOH (DNS-over-HTTPS)のサイトである。しかも、他のサイトをChromeからアクセスしているのにDNSのクエリがまったく発行されていない。これだ。「設定」「プライバシーとセキュリティ」「セキュリティ」を選ぶと「セキュアDNSを使用する」が現れ、そこには「IIJ(Public DNS)」が選択されていた。
これをGoogleに変更すると一発で解決した。
解決したのはいいが、本当のトラブルはどこにあるかが問題である。そういえば…むかし日本の公官庁のサイトをアクセスするとIPv6のアドレスが帰ってきてアクセスできないのを思い出した。DNSがらみで、かつ、他のサイトは問題ないのに、日本の公官庁の一部のサイトだけアクセスできないというのが、今回の一部のサイトは問題なくアクセスできる、という症状に似ている。
長年の経験と勘からDOHのサーバーをIIJにしてシステムのIPv6をオフにしたら…動いた。一々IPv6をオンにしたり、オフにしたりするのは面倒なのでDOHサーバをGoogleにした。
実は家にあるNTT東日本の光ルータが古くてIPv6を通過させることができない環境なのである。取り替えればいいのだが、レンタル品なので、手続きが面倒でそのまま。困ることはなかったし(少なくとも今日までは)。自分以外でも問題がありそうなものだが、世の中の大半の人はIPv6で問題ないのだろうか。それともシステムレベルでIPv6をオフにしているのだろうか。
というわけで、もし、Google Chrome バージョン 95.0.4638.54 にあがってDNSエラーのようなメッセージが出て接続できない場合は、DNS-over-HTTPSの設定を疑ってみると良いだろう。