いったいLNG火力発電の目標コストはどれくらいに設定すべきなのか政府資料を使って試算してみた。
各種パラメータに検討を加え実現可能な範囲での値を代入し目標とすべきコスト試算をしてみた。現状で約10.0円/kWhであり、目標とすべきコストは約6.3円/kWhとなった。
計算式とパラメータ
まずコストの計算式は以下の通り。
LNGコスト計算式 = (1kWh当たりの熱量 / (LNG熱量 * LNG火力の熱効率)) * (LNG価格 + 石油石炭税)
この政府資料での数値を使って計算してみる。
- 1kWh当たりの熱量 3.6 MJ/kWh
- LNG熱量 54600 MJ/t
- LNG火力の熱効率 43.41 %
- LNG価格 64943 円/t
- 石油石炭税 1080円/t
ここに検討を加えてみる。まずLNG火力の熱効率は最新のGTCC(ガスタービンコンバインドサイクル発電)では約59%とあるが、現実的に考えて55%とする。次にLNG価格であるが、日本はLNG価格を16-18ドル/mmbtuで購入している。そこで現状は16ドル/mmbtuとした。韓国ガス公社は米国産ガスを4-5ドル/mmbtuで契約したという報道もあるが、その数字は極端なのでLNG加工・運搬費を加えていないものであろう。、アジア圏内の主な価格13ドル/mmbtuを採用する。最後に、この戦後最大の危機とかいわれている状況で石油石炭税を取るというのは如何なものかということで税金をゼロとする。
変更した数値
- LNG火力の熱効率 55.0 %
- LNG価格 約52766 円/t
- 石油石炭税 0円/t
計算
実際に計算をしてみる。LISPで書くのはご愛嬌。
まずは現状を試算してみる。
(*
( / 3.6
(* 54600.0 43.41))
(+ 64943.0 1080.0))
0.10028023117173084
約10.0円/kWh
コスト目標を試算してみる。
(*
( / 3.6
(* 54600.0 55.0))
(+ (* 64943.0
(/ 13.0 16.0))
0))
0.06325616883116883
約 6.3 円/kWh
よって現状で約10.0円/kWhであり、目標とすべきコストは約6.3円/kWhとなった。