今、火力発電所が足りていると思っている人は大間違い。原子力発電所のバックアップ用発電のために取ってあった発電所を無理やり動かしている。ファシリティとして今の原子力発電所と同じレベルの発電施設を用意しないと、同じものをずーと動かしているだけになり、しばらくすると成り立たなくなる。
もしかすると、すべての火力の機材は24時間365日休みなく動かせられると思っているのかも知れないがこれも間違い。早く、余裕のあるファシリティのレベルまで発電施設を充実させ、普通の発電所のローテーションに戻さないといけない。5年も10年も今の発電ファシリティでは持たない。
時間との戦いなので速攻で古くて出力の小さい発電機は最新で効率よく大出力のものへ更新し、その移行する期間のために発電機の増設し、さらに発電システムの全体の調整を行い、余裕を持って整備やローテーションを組むために、新しい発電所が必要。原発止めるのに再生可能エネルギーなんて余裕はない。
最新の石炭火力発電所である横浜ベイエリアにある磯子火力発電所はこれだけコンパクトだ。総出力120万kWで、これは原発1基分の出力と同じである。自分の目で確かめて欲しい。 https://maps.google.co.jp/maps
隣に写って蒸気を出しているのは、南横浜火力発電所でこれはLNG火力発電所。112万kw出力だが、古く、効率も悪い。これを最新のものに更新すれば200万kw以上の発電施設になるだろう。原発2基分だ。
東電は原発17基・1700万kw相当の発電能力がある。8割分をリカバリーするとして1360万kw相当。このファシリティならば60万kw級発電機23基分で、6-7割は発電機の効率化・大型化と発電機の増設で対応できるだろう。
1360万kwのファシリティを作るのを考えてみる。コスト単価コストだがLNGガス発電所は9億円-11億円/万kw、石炭発電所は18-20億円/万kwである。ざっくりで1兆5000億から1兆8000億円の建設費がかかる。その金額に驚く人もいるかも知れないが、最新であればあるほど発電効率がよい。燃料費を削減できトータルでコストダウンになる。
(追記)この金額の相場観だが、レジャー白書2012によると2011年のパチンコの市場規模は18兆8960億円だそうだ。これでもずいぶん市場が縮小していて、1994-6年は30兆円を越えていた。つまり日本人が一年間にパチンコで使ったお金の10分の1程度を数年間に分割して投資すればいいだけである。もちろんパチンコとは違い確実な投資であることはいうまでもない。
具体的には南横浜火力発電所のLNG発電効率は42%、最新では55%。どれくらいのお得感かというとガリガリ君ソーダなら定価63円の所、50円玉1つで、ガリガリ君コーンポタージュ味定価128円の所、100円玉1つで買える。ガリガリ君をワンコインで買えるお得感はなかなか魅力的ではないだろうか?
(追記)つい最近、とうとう効率60%を越えるLNG火力発電所が着工となった。日進月歩、技術の向上により効率は上がっていく。理論的にはLNGを使ったもので70%以上、石炭を使っても60%が期待できるようである。
増設の場合、工事だけをみると、最新のガスの場合、1年程度で発電がスタートでき、発電しながら施設を拡張し、3年程度で完成する。石炭の場合、規模が大きくなるので3年から5年はみておいた方がいいようだ。着工すれば早いペースで進む。
一方、まったく新しく発電所を建設するのにはインフラから作りあげなければいけないので時間がかかる。それでも500-600万kw相当、発電所数にして2-3箇所増えるだけで対応できる計算になる。こちらは8-12年ぐらいのスパンで考えるべきであろう。
現在、既に東京都がスタートを切っている→天然ガス促進の支援策検討 火力発電所の更新で東京都 http://sankei.jp.msn.com/life/news/120816/trd12081618170011-n1.htm
この先、どれだけスピードをあげて火力発電施設を充実させていくかが、脱原発の鍵となる。